中田英寿、香川真司もプレミアの壁に苦戦。一番成功した日本人選手は? (4ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 岡崎は2018-19までの4シーズンで、リーグ戦通算114試合14得点を記録。そして2019年から戦いの場をスペインに移している。

 プレミアリーグに挑む日本人選手にとって、障壁のひとつになっているのが労働許可証だ。FIFAランクに応じて決められた過去2年間の代表戦の出場割合に達していれば発行されるが、満たしていない場合は基本的にはプレミアリーグのクラブの所属となってもイングランド国内でプレーすることは叶わない。

 この制度によって、過去には浅野拓磨(2016-19アーセナル/現パルチザン・ベオグラード)や井手口陽介(2018-19リーズ/現ガンバ大阪)が、現在ならマンチェスター・シティに所属する板倉滉(現フローニンゲン)や食野亮太郎(現リオ・アヴェ)がプレミアリーグのピッチに立てず、他国リーグでプレーをしている。

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 そうしたなか、特例でプレミアリーグでのプレー機会を勝ち取ったのが宮市亮(現ザンクトパウリ)だ。中京大中京高3年時の2010年にアーセナルと契約し、2011年1月からオランダのフェイエノールトにレンタル移籍。ここでの目覚ましい活躍によって"プレミアリーグの価値を高める選手"という特例をクリアし、2011-12シーズンからプレミアリーグでプレーすることになった。

 アーセナル復帰後の出場はカップ戦だけだったが、2012年1月にボルトンにレンタル移籍すると、リーグ戦12試合に出場。飛躍が期待されたスピードスターは、翌シーズンはウィガンにレンタル移籍したが、度重なる故障に見舞われてリーグ戦は出場わずか4試合に終わった。

 2013-14シーズンはアーセナルに復帰。リーグ戦1試合に出場したものの、このシーズン限りでプレミアリーグに別れを告げることになった。

 そして現在、プレミアリーグで戦っている南野は2シーズン目。昨冬のリバプール移籍からリーグ戦10試合(うちスタメン2試合)に出場し、プレミアリーグでプレーした9人目の日本選手となった。

 今季はプレミアリーグ初ゴールだけでなく、昨年以上の活躍を見せることが2連覇を狙うチームで期待されている。それが達成された時、ハノーファーに所属する原口元気をはじめ、プレミアリーグへの移籍を狙う日本選手の多くの後押しになるはずだ。

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