2020.09.24

久保建英と乾貴士をスペインの名伯楽が分析。「乾はMOM級だった」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 攻撃でも積極的に前に出て、ダイアゴナルの動きで敵を幻惑していた。後半途中、ディフェンスの背後を取って、飛び出してきたGKと交錯。本来なら、退場に相当するプレーだったが、オフサイドの判定になってしまう。乾自身はオンサイドだっただけに、この判定は勝負も分けたと言える。

 乾はカウンターでも脅威となり、前半には味方GKからのロングキックを完璧にコントロールし、ディフェンスより前に出て、GKと1対1になっている。90分間、機敏さを見せ、クロスの質も高く、ハードワークは賞賛に値する。エイバルのマン・オブ・ザ・マッチを選ぶなら、乾になるだろう」

 逆転して勝利したビジャレアルについても、エチャリは見解を述べている。ちなみに、エチャリは監督時代にビジャレアルのウナイ・エメリを選手として指導しており、エイバルのホセ・ルイス・メンディリバル監督とは同じバスク出身で昔からの友人である。

「ビジャレアルは後半になってペースが落ち、失点を喫した。ここでエメリ監督は、中盤にビセンテ・イボラ、左サイドバックにペルビス・エストゥピニャンを投入。再びゲームを押し返すと、エリア内でボールを受けたジェラール・モレノが完璧な切り返しで鋭いシュートを放ち、同点に成功した。また、エイバルのわずかなゆるみを見逃さず、モレノが裏にスルーパスを送り、それをパコ・アルカセルがオフサイドギリギリで抜けだし、確実に仕留めた。

 ビジャレアルは選手の質と層の厚さで逆転した格好だろう。モレノはこの試合のベストプレーヤーだった。パウ・トーレスも水準の高い守りを見せ、ダニエル・パレホ、サミュエル・チュクウェゼ、モイ・ゴメスも高い評価を与えられるプレーだったと言えよう。結果そのものは、先述したように乾のプレーに対する判定次第で変わり得たが......」

 そしてエチャリは最後に、久保のプレーにも及第点を与えた。

「久保は84分から、右サイドを中心に逆足(利き足と違うサイド)でのプレーになった。ディフェンスと対峙した時、非常に優れたテクニックを見せている。マリオ・ガスパールからのパスを受け、完全にディフェンスの背後を取って、緩急の変化で抜き去り、シュート性のクロスも際どかった。