2020.09.18

魔法の左足は健在。ハメス・ロドリゲスがプレミアで大暴れの予感

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

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 中村は加地を追ってきた選手に受け渡す。その時、ほんの少しだが中村はフリーになるわけだ。また、相手DFが下がるとディフェンスライン全体も下がることになり、MFとDFの間も少しスペースが広がる。そこへ中村憲剛や遠藤保仁が入り込み、中村俊輔と連係もできる。

 魔法の杖を持っていても、それだけでは何も起こらない。マジックに種も仕掛けもあるように、周囲の支援は"エクストラ・キッカー"を活かすカギなのだ。

 エバートンのハメスには、リシャルリソンがクロスに飛び込んでくれる。右のコロンビア人と左のブラジル人の関係性は、開幕戦でもはっきり表れていた。あとはハメスのためのスペースをいかに周囲がつくってやれるかだろう。カルロ・アンチェロッティ監督(イタリア)はそのあたり抜け目はないはずだ。

 ミランを率いていた時はアンドレア・ピルロ(イタリア)をブレイクさせた。ポジションを下げて、中盤の底で司令塔として機能させ、ジェンナーロ・ガットゥーゾ(イタリア)を組み合わせて守備面で支えている。

 レアル・マドリードではポジションを失っていたアンヘル・ディ・マリア(アルゼンチン)を、快足アタッカーたちの接着剤として活用して、デシマ(通算10回目のチャンピオンズリーグ優勝)を成し遂げた。

 アンチェロッティは与えられた素材を組み合わせて料理する名シェフだ。ハメスを獲得した時点で何らかのアイデアは持っているはずである。

 ポルト(ポルトガル)、モナコ(フランス)、コロンビア代表での輝かしいハメス・ロドリゲスが戻ってくる可能性は高そうだ。

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