岡崎慎司が語る今季。「2部」を受け入れ戦う覚悟ができた瞬間がある

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

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 ラ・リーガ2部のウエスカで12ゴールと2ケタ得点を挙げ、チームの1部昇格に貢献した岡崎慎司。移籍時のトラブル、新しい国のサッカーへの順応など、さまざまな苦労があった激動のシーズンを振り返ってもらった。

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「シーズンが終わって少し経ったので、昇格が決まった時、優勝した時の高揚感は落ち着いて、今はもう来シーズンのことを考えている感じですね」

ウエスカのスペイン2部優勝、1部昇格に貢献した岡崎慎司ウエスカのスペイン2部優勝、1部昇格に貢献した岡崎慎司  2019-20ラ・リーガ2部をウエスカでプレーし、優勝と1部昇格のミッションを遂げた岡崎慎司。日本に帰国し、今の心境を語り始めた。

「1部昇格が決まった時は、ホッとしたというのが正直なところでした。シーズンの序盤は苦しんだ時期もあって、2部のレベルの高さに面食らったり、そのなかで1部に昇格しなければいけないプレッシャーだったり、精神的に本当にタフなシーズンでした」

 今季、岡崎はプレミアリーグのレスターからスペインに戦いの場を移した。

「スペインへの憧れというか、強い興味がありましたね。これまでブンデスリーガとプレミアリーグで自分の価値を少しずつ高めてきて、ほかにも選択肢は当然あったと思う。でも一度しかない自分のサッカー人生で、違う自分の可能性を見てみたいと思ったんですよね」

 さらに、すでにスペインで活躍する日本人の存在も理由としてあった。

「ほかの日本人選手がスペインに挑戦している姿を見て、自分があの場所に飛び込んだらどうなるんだろうって。これまでと違うリーグで自分がどう変わるのか。そこにすごく興味があって、スペインという地にこだわりたかったんです」

 そしてレスターを離れた19年夏。スペインで移籍先を模索した岡崎だったが、思った以上に難航した。

「興味はあるけどもう少し時間がほしいというクラブばかりで、具体的なオファーはなかなか届かなかった。そうしたなかでマラガが最初に興味を持ってくれて、自分をほしいと言ってくれました」

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