2020.08.18

久保建英との相性は? 庶民的すぎる
ビジャレアル本拠地とCLベスト4

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 試合開始1時間前。エバートンのサポーターを載せたバスがスタジアムに到着した。するとそれに合わせたかのように、「イエローサブマリン」が現れた。このビートルズの楽曲のタイトルを、ビジャレアルはチームの異名にしていて、その黄色い宇宙船をファンが御神輿のように担ぎ、スタジアム周辺を練り歩いたのだ。

 ビートルズを生んだ町、リバプールからやってきたエバートンファンもこれにはビックリ。正当な流れを汲む本家の人たちが、インチキ臭さを漂わせる集団の威嚇行為にたじろぐ姿は、この試合の行方を暗示しているかのようだった。

 エル・マドリガルのスタンド風景も少しばかり奇妙だった。リバプールから多くのエバートンサポーターが訪れたとはいえ、スタンドの大半を占めるのは、ホームのビジャレアルサポーターであるはずだ。しかし、エバートン側が早くからスタンドで気勢を上げていたのに対し、ビジャレアル側は開始20分前になっても、パラパラとしか集まらない。

 ようやく客席が埋まったのはキックオフ後、しばらく経ってから。しかし、彼らは集団で歌を歌ったり、声を出したりはしない。ただ試合を見ているだけで、エル・マドリガルのスタンドは、ホームとアウェーのコンセプトが入れ替わったかのようだった。

 ビジャレアル、大丈夫か? 

 ダメクラブではないのかと、疑いの目を向け掛けたくなったが、ピッチに立つ選手は優秀だった。

 チームの中心はフアン・ロマン・リケルメ。トップには同じくアルゼンチン代表のルチョ・フィゲロアと、ウルグアイ代表のディエゴ・フォルランが並んでいた。フアン・パブロ・ソリン(アルゼンチン代表)もいれば、ユーロ2008で優勝の立役者になるマルコス・セナ(スペイン代表)もいた。

 エバートンにもお馴染みの選手がいた。ティム・ケーヒル(オーストラリア代表)、フィリップ・ネビル(イングランド代表)、スペイン代表歴はないが、それに近い実力を持つ、ミケル・アルテタ(現アーセナル監督)などである。ちなみに主審は、イタリアのピエル・ルイジ・コリーナさん。その時代のナンバーワンレフェリーが笛を吹いていた。