2020.08.16

バルサ大敗で「メッシ頼み」時代の
終焉。救いの要素が一切なかった

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reutes/AFLO

 相手のバルサは、2002年のサウジアラビア、2014年のブラジル、そして2001年のトルシエジャパンとは異なり、最後まで打って出た。試合は終始、打ち合いとなった。バルサはつまり、バイエルンに完全に打ち負けたのだった。

 これまでバルサがCLで敗れる時は、圧倒的に攻めながら相手のカウンターでやられるという展開が多くを占めた。かつてのミランとか、モウリーニョ時代のチェルシーとか、大一番で守備的な戦いをする、狡猾な相手の術中にはまり、足元をすくわれるパターンが大半だった。

 しかし幾度、敗れようとも、自分たちのスタイルを守った。常に攻撃的で、理想のスタイルを貫こうとした。バルサが世界のファンから一目置かれる理由である。

 一方、かつてのバイエルンはそうではなかった。チェルシー的であり、ミラン的だった。たとえば2000-01シーズン。バイエルンはCL決勝でバレンシアに延長PK勝ちを収め、欧州一に輝いている。しかしその準決勝、対レアル・マドリード戦では徹底的に守り、そしてカウンターでゴールを奪い勝利した。試合後、レアル・マドリードの左SBロベルト・カルロスは「バイエルンはあんなサッカーで試合に勝って何が楽しいのか。サッカーの敵だ」と、バイエルンの戦い方に疑問を呈したものだ。

 バルサを善玉とすれば、バイエルンは一時期、サッカー界にあって悪玉だった。この関係が今回も維持されたなら話は別だ。バルサがバイエルンのカウンターに屈したというのなら。

 しかし、現実はその逆だった。バイエルンのシュート数26本に対してバルサはわずか7本。バルサがクラブとして一貫してこだわってきたボール支配率でもほぼ互角だった。

 昨季の準決勝でリバプールに、ホームでの第1戦3-0から、アウェーの第2戦で0-4とされ、通算3-4で大逆転負けした一戦も、いま振り返れば、許される敗戦になる。リバプールが最後に挙げた決勝ゴールは、バルサの明らかなケアレスミス。その大逆転負けは確かに事件ではあったけれど、もう一回戦えば、勝てたかもしれないと思わせる負け方だった。