2020.08.04

久保建英の移籍を巡る狂騒曲。
「恋人」に求められる条件は何か

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 移籍先として濃厚なのは、やはり当初から交渉が伝えられるレアル・ソシエダか。

 レアル・ソシエダは現在、左利きの攻撃的MFマルティン・ウーデゴールがひざに問題を抱えているのが、懸念事項だろう。もう1シーズン、レアル・マドリードからのレンタルを継続する可能性が高まっており、「久保はまずそのバックアップに入るのではないか」とも言われる。ただ、ケガの状況が改善するなら久保を必要とせず、行方は不透明だ。

「欧州カップ戦出場、もしくは狙えるチーム」

 それは久保が出した条件ではないだろうが、周りが考える"結ばれる条件"と言えるだろう。

 マジョルカは1部20チームの中では最も非力で、あえなく降格した。そこで来シーズン、久保にはマジョルカ以上のチームでの実戦経験を積む必要がある。もっとも、ほとんどのチームがマジョルカよりも上なのが現状である。新しく出たチーム名の中では、ビジャレアルはサンティ・カソルラ、ジェラール・モレーノ、ラウール・アルビオル、パウ・トーレス(ビッグクラブへの移籍が噂される)のようなトップレベルの選手がいて、今までにない刺激を受けることができそうだ。

 スペイン国外では、マンチェスター・シティ、ミラン、パリ・サンジェルマンが久保サイドと接触したと言われる。それ以外にも、アヤックス、ラツィオなどの名前が聞かれるようになった。

 ただし、国外移籍の可能性は低い。リーガ・エスパニョーラは世界最高峰。双璧をなすのはプレミアリーグだが、あまりにプレースタイルが異なる。国内での試合経験こそ、レアル・マドリードでプレーするための"最短距離"になるはずだ。

「自分の夢はいつだって、ベストプレーヤーの一人になること。そのための努力をやめることはない。そして自分の目標は、レアル・マドリードでプレーすることだ」

 そう語る久保は、進むべき道を突っ走るだろう。

 移籍交渉がどのような結末になるのか、おそらく久保本人にもコントロールすることは難しい。それだけ、大きなものが渦巻いているのだ。