南野拓実のリバプール1年目をクラブOBは辛口評価も「これからよくなる」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images


 マクマナマンの話は南野個人についても及んだ。

 同氏曰く、マネ、サラー、フィルミーノの強力3トップを擁するリバプールは、チームとして完成の域に達している。一方の南野は、オーストリアリーグから冬の移籍市場でプレミアリーグに加わったばかり。しかも、今季は新型コロナウイルスの感染拡大による混乱もあった。国の違うイングランドで活躍するには適応の時間が必要だと話した。

「今は、まだ出場時間を与えられているだけの状況だ。南野はチームに加わったばかり。来シーズン、または翌々シーズンにチャンスが出てくる。彼はまだ若い。

 まずは英語を覚える必要があるし、チーム戦術にも馴染む必要がある。そのため、現時点で南野について評価を下すのは難しい。とくに今は、リバプールが無敵の状態にあることも考慮しないといけない。彼はこれからよくなると思う」

 南野をこのように擁護しながらも、リバプールの問題点として、レギュラー組と控え組に大きな力の差があるとも指摘した。

 実際、ニューカッスル戦では南野、オリギ、オックスレイド=チェンバレンとの交代で、サラー、マネ、フィルミーノがピッチに入ると、攻撃のスピードが一気に跳ね上がった。それまでは5バックで守備を固めるニューカッスルに手を焼いていたが、チャンスの数も増えた。

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「オリギを例に出そう。これまでスーパーサブとして出番が与えられ、昨シーズンのCL準決勝のバルセロナ戦のように大事なゴールも決めてきた。ニューカッスル戦でも追加点を挙げた。だが、先発候補としてレギュラー組を脅かすレベルにはまだ達していない。

 南野とオックスレイド=チェンバレンにも同じことが言える。彼ら3人は、これからまだまだ成長していく必要がある。レギュラー組と肩を並べるには、もっと、もっとハードワークが必要だろう。実際、試合でFWがレギュラー組に替わった途端、プレーテンポが一気に上がった。ゴール前での怖さも格段に上がった」

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