南野拓実、レギュラーへ足りない点。リバプールでの最適位置を考えた (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO


 一方、相手の密集度が低い両翼で起用された場合はどうか。スピード抜群のサラーやマネとは違い、南野は味方との連係で崩すタイプのため、やや中央に絞ってポジションを取ることが多かった。

 こうすれば味方との距離が近くなり、連係がしやすい。そして、ワイドエリアのアタックはサイドバックが補完する。そんな指揮官の狙いが見えた。だが、こちらも連係の精度がいまひとつで、存在感を示すことができなかった。

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 取材を通して感じたのは、まだユルゲン・クロップ監督も南野起用の最適解を見出せていないのではないか、ということだった。

 チームが採用している4−3−3は、すでに完成の域に達している。しかも、南野はシーズン途中の冬の移籍市場で加わった。従来のフォーメーションに当てはめた場合、南野のプレー位置が3トップの一角だったのかもしれない。

 一方、南野の特性を最も生かせるのは、4−2−3−1や4−3−1−2のトップ下、あるいは4−4−2のセカンドストライカーのポジションのように思う。

 これならフィジカルを利したプレーはCFが行ない、南野は1.5列目から前線のフリースペースに飛び出していける。実際、ザルツブルクの一員としてリバプールから1ゴール・1アシストを決めたCLの試合も、ポジションをトップ下に移した後半から一気に躍動した。

 トップ下も、セカンドストライカーも、今のリバプールの4−3−3には存在しない。しかし、アンカーのMFファビーニョが負傷離脱した昨年12月、クロップ監督はトップ下を置く4−2−3−1にシステムを一時的に変えている。

 こうした柔軟性もあることから、オプションとして4−2−3−1のシステムを採用する可能性はゼロではないだろう。とくに、現行の4−3−3はライバルの対抗策が進んでいる。来季に向けて新しい布陣にトライすれば、南野の起用法も変わってくる。

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