岡崎慎司、「勇者のゴール」で日本人得点記録更新。集中力は達人の域 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 来シーズン、岡崎は1部の舞台に立てるのか?

 今シーズン、岡崎はストライカーとして輝きを放っている。なにより、ゴールに対する集中力は達人の域と言える。

 第35節、首位を走るカディス戦だった。FKからのボールに岡崎はジャンプで合わせようとするが、クロスは頭上を越え、いったんは右サイド流れる。必然的に人が入り乱れていたが、岡崎は正しいポジションを取り、混戦から出てきた折り返しを、上半身を畳み込むボレーで正確にヒットし、ネットを揺らした。勘のよさも際立っていた。

 ゴールをするための技量も飛び抜けている。

 第37節、ラス・パルマス戦では、左サイドをドリブルで持ち上がるダビド・フェレイロと絶妙の呼吸を見せる。決して急がず、ふらふらとゴール前に上がりながら、スペースを探す。そして右利きのフェレイロが切り返し、やや近づいた瞬間、ディフェンスの背後に忍び込むように入り、右足で送られてきたクロスをヘディングで叩き込んだ。

 岡崎の身長は174cmで、けっして高いとは言えない。にもかかわらず、リーガ2部ではゴールの半数以上がヘディング。これは怖がらずに飛び込み、動物的な勘のよさもあるだろうが、天才的と言えるほどポジショニングとタイミングの取り方がいいのだ。

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