岡崎慎司、「勇者のゴール」で日本人
得点記録更新。集中力は達人の域

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「オカザキ(岡崎慎司)が、敵のアウェー無敗神話を打ち破るゴール!」

 スペイン大手スポーツ紙『アス』は、そう見出しを打っている。

 リーガ・エスパニョーラ2部、第39節。7月8日、岡崎慎司を擁するウエスカは自動昇格を懸け、2019年6月以来、敵地での無敗を誇っていたアルコルコンと戦っている。ジンクスに守られた相手を打ち破るのは至難の業だ。

 しかし、日本を代表するゴールゲッターである岡崎は、それを見事にやり遂げた。

7月8日のアルコルコン戦で決勝ゴールを決めた岡崎慎司(ウエスカ)7月8日のアルコルコン戦で決勝ゴールを決めた岡崎慎司(ウエスカ) 前半終了間際、右からのライナー性のクロスだった。岡崎は敵ディフェンダー2人の間をすり抜けるように飛び込んで頭で合わせ、ゴールネットを揺らしている。技術的に、決して簡単ではないプレーだ。高速クロスに対し、正しいポジションを取り、適切なタイミングで飛び込み、的確に頭で合わせる必要がある。しかも、相手が必死に足を上げても、少しも恐れずに飛び込んだ。

 岡崎らしい「勇者のゴール」だった。

 これが決勝点になって2-1でアルコルコンを撃破。岡崎のウエスカは、自動昇格圏内である2位に暫定的に浮上した。

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