2020.07.07

同じ「国立競技場」でも日本とは大違い。羨ましかったユーロの舞台

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 多目的スタジアムにとって不可欠なアクセスも申し分ない。ワルシャワ中央駅からS2という電車に乗って2駅目。町の中心を流れるビスワ川を超えるとワルシャワ・スタジアム駅に到着する。地下鉄もトラムもバスも利用できる。

 ワルシャワ中央駅を新宿とすれば、スタジアム駅はさしずめ千駄ヶ谷か。ワルシャワの人口は約170万人。東京とは都市の規模に差があるとはいえ、サッカー専用で急傾斜の、屋根も開閉するスタジアムが、眩しく映る。

 見栄えもいい。ポーランドのナショナルカラーである赤と白がまだらにあしらわれた外観のデザインが秀逸だ。

 そしてその姿は、ワルシャワ観光の名所である王宮前広場から大きく視界に捉えることができる。東京で言えば、皇居から国立競技場を望むことができるようなものだ。国を代表するシンボリックなものとして、存在感を高める結果になっている。

 赤と白のまだら模様は、スタジアムの座席にも鮮やかに塗り分けられている。赤と白といえば、日本のナショナルカラーも同じである。しかし、その2色を国立競技場の外観のみならず、座席シートにまで反映させようとする発想はない。デザイン性の高いお洒落なカラーリングには見えないからだろう。