同じ「国立競技場」でも日本とは大違い。羨ましかったユーロの舞台 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 収容人員5万8000人あまりのサッカー専用スタジアムだ。東京の(新)国立競技場と異なるのは、それだけではない。天井の屋根が開閉する全天候型スタジアムであることだ。

 正確には多目的スタジアム。数々のアーチストがこれまでライブやコンサートを行なっている。

 特徴的なのは、その屋根の開け閉め方法だ。屋根は膜状になっていて、普段は格納された状態にある。では、どこに格納されているのか。

 得点や時間を表示する電光掲示板は、たとえばバスケットボールでは、コート中央の上部に、天井から吊るされるように設置されている。ワルシャワ国立競技場もこのスタイルで、電光掲示板は、センターサークルの真上付近に浮いている。

 覆われている屋根の縁から伸びている何本ものワイヤーによって、それは支えられているのだが、天井に蓋をする屋根が格納されているのは、電光掲示板の上部。宙に浮いているように見える、円盤型の器の中に収まっている。そこから、約20分掛けて天井を完全に覆う。多目的スタジアムの生命線として機能している。

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