久保建英、アトレティコ最強守備陣を翻弄。再開後の進化が止まらない (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 41分のプレーは圧巻だった。

 自陣からのカウンター、相手を惹きつけて出した後、リターンを右サイドでもらう。まずは、マヌ・サンチェスに餌を巻くように飛び込ませ、かわし、再び追いつかれたところ、緩急だけで崩れ落とす。もうひとり、コケも誘い込んであっさり抜き去る。それは居合抜きのようだった。最後のクロスは、ホセ・ヒメネスにブロックされ、CKになった。ヒメネスが怒りを示していたように、その突破はアトレティコ陣営に混乱を引き起こしていた。

 後半になっても、その光景は変わらない。

 58分、久保はマヌ・サンチェスを翻弄し、1対1から縦に突破。ショルダーチャージで吹っ飛ばし、右足でゴールラインぎりぎりでボールを残す。視界が開けると、ためらわずに左足を振る。これはカバーに入ったディフェンスに体ごとでブロックされたが、マヌ・サンチェスに代わり、ブラジル代表のロドリを引きずり出すことになった。

 スピードに優れるロドリに対し、久保は変幻を見せる。

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