万能型FWベンゼマはダイエット成功で「ジダン+ロナウド」に進化した (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

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<万能型の選手に成長>

 2009年、レアル・マドリードへ移籍したベンゼマは「ニコラ・アネルカの再来」と期待されていた。

 ニコラ・アネルカは、フランスのクレールフォンテーヌ国立サッカー養成所の出身。2歳上に同じ養成所出身のティエリ・アンリもいたが、当時はアネルカこそがフランスの未来を背負って立つ逸材とされていた。テクニック、フィジカル、センスのどれもがずば抜けていたのだ。

 パリ・サンジェルマンでデビューするや、すぐにアーセナルに引き抜かれ、プレミアリーグ優勝の原動力になった。レアル・マドリードでもチャンピオンズリーグ優勝に貢献している。ただ、期待されていたほどの活躍はできなかった。ジネディーヌ・ジダンやティエリ・アンリをはるかに超えるスーパースターになるはずだったが、そうはならなかった。

 アネルカの場合、簡単に言うと取り巻きが悪すぎた。さらに誤解を恐れずに言えば、都市郊外の治安の悪い地域で生まれ、育ちが悪かった。それは彼らの世代の宿命でもあり、ベンゼマもそれと無縁ではないのだ。

 ベンゼマのレアル・マドリードでの最初の2シーズンは、ゴンサロ・イグアインとのポジション獲得競争で苦闘している。転機は11年の夏。フランス代表監督のローラン・ブランと、レアル・マドリードのスポーツディレクターだったジダンの助言で、ベンゼマはダイエットに挑戦した。

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