2020.07.01

久保建英の「攻撃の渦」の作り方。
底が見えない才能に市場価値も上昇中

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 39分、久保は右サイドで幅を取ってボールを受ける。ドリブルで仕掛けるそぶりを見せながら相手を引きつけ、インサイドにフリーで入ったアレハンドロ・ポゾに左足でパス。シュートポジションを楽に取れたポゾの左足ゴールを生み出した。

 51分、久保は右サイドでボールを受けると、前のブディミルに付け、それを再び受ける。そして、中央でフリーだったサルバ・セビージャの足元にぴたりとつける。これが裏を抜けたブディミルへのパスにつながり、4点目になった。

 そして59分、久保は右サイドから中央にボールを運ぶ。ゴール正面で完全にフリーのサルバ・セビージャに素早くパス。まるでシュート練習のような状況で、ミドルを得意とするサルバ・セビージャは鮮やかな一撃を決めた。

「habil y eficaz」(技巧的で効率的)

 スペイン大手スポーツ紙『アス』はこの日の久保について、そんな表現を使っている。

 レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督は、久保をサイドアタッカーだけでなく、インサイドハーフ、サイドハーフとしても考えているという。現所属選手では、クロアチア代表ルカ・モドリッチに近いポジションか。攻守でチームを動かし、チャンスメイクする仕事だ。