リオは異常事態で本田圭佑もポツリ。「言論の自由がないのか」 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 この決定に、本田は「この国には言論の自由がないのか」と嘆いたという。

 ボタフォゴが裁判所の通達を受けてリーグに参加すると決めた時、このアウトゥオリへの処分は取り消されたが、アウトゥオリ自身が辞任を表明。ボタフォゴの会長が残ってくれるように説得し、チームには残ることになったが、抗議の意味を込め、試合のベンチには姿を現さなかった。

 ボタフォゴ対カボフリエンセは、これまでに例のない形で始まった。意に反してプレーさせられることとなったボタフォゴの選手たちは、抗議の横断幕を手にピッチに入ってきた。そこには「最善の対策とは、人の命を尊重することだ」の文字があった。

 また、コロナで亡くなった人々への追悼の意味も込めて、ボタフォゴは黒のサードユニホームでプレー、背中には医療従事者への感謝を表し「Obrigado(ありがとう)」のメッセージが書かれていた。

 試合再開にあたっては「ジョゴ・セグーロ(確かなプレー)」と呼ばれる細かなプロトコルが設けられた。選手は試合前日に集まりPCR検査を受ける、プレー前には検温する、プレーする選手以外はマスクをつける、スタジアムは大掛かりな消毒をする......。

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