リオは異常事態で本田圭佑もポツリ。「言論の自由がないのか」

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 先週の記事で、ボタフォゴとフルミネンセが、リーグ戦再開に強固に反対していると書いた。その両チームが試合を行なった。ただ、彼らが試合再開に反対する姿勢は変わらない。彼らは自分たちの意思に反し"無理やり"プレーをさせられたのである。

 6月28日、本田圭佑の所属するボタフォゴが3カ月ぶりに試合を行なった。リオデジャネイロ州リーグのボタフォゴ対カボフリエンセ戦だ。試合は6-2でボタフォゴが勝利し、本田はキャプテンマークを付けて90分プレーした。

3カ月ぶりに行なわれた公式戦、カボフリエンセ戦にフル出場した本田圭佑(ボタフォゴ)photo by Reuters/AFLO3カ月ぶりに行なわれた公式戦、カボフリエンセ戦にフル出場した本田圭佑(ボタフォゴ)photo by Reuters/AFLO だが、ブラジルのテレビも新聞もインターネットも、試合内容にはあまり触れていない。なぜならプレーの中身など吹っ飛んでしまうほどの問題が、そこには山積みされているからだ。サッカー大国ブラジルにサッカーが帰ってきたのに、誰もゴールやテクニックの話をしない。異常な事態が起きている。

 ブラジルサッカーはますますとんでもない方向に進んでいる。

 新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから、初めてブラジルでサッカーが再開されたのは6月18日のフラメンゴ対バングー戦だった。

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