久保建英に成熟の証。スペインの知将がそのすごさを明確に語る (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 15年以上、バスク代表監督を務めたミケル・エチャリは、久保のプレーについて非常に高い評価を与えている。

「相手の裏を取れる技術と速さがあって、『高い技術をトップスピードで使えるアタッカー』と言える。個人技が目立って抜きん出ているが、コンビネーションでもダメージを与えられる。ボールスキルだけでなく、タクティクスのレベルも高く、常に相手ディフェンスの"隙間"にポジションを取れる。プレービジョンに優れ、対応力も高い」

 この日、久保は直接的な貢献は見せられなかった。しかし、プレーの質の高さはあらためて示している。ラインの間に入ってボールを受け、つなげる。援護がないなら1対2の場面でもCKに持ち込む。プレーの細部まで、高い水準を見せたのだ。

 しかし、チームはまたも敗れた。残り6試合。次節は6月30日、本拠地ソン・モイスで16位のセルタと戦う。

 アスレティック戦の久保は90分間プレーし、最後まで得点を狙っていた。その体力、気力は、成熟の証だろう。彼が奇跡を起こすしか、このチームに活路はない。



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