久保建英に成熟の証。スペインの知将がそのすごさを明確に語る (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ではマジョルカのエース、久保建英のプレーはどうだったのか?

「アスレティック戦、タケ・クボはまたしてもチームを牽引して見せた」

『ディアリオ・デ・マジョルカ』紙は、久保を、「ラ・カラ」というコインの表を意味するベストプレーヤーに選出している(毎試合、選んでいる。ちなみに「ラ・クルス」はコインの裏でワーストプレーヤー)。

「最後の数メートルのところでズレが出たが、タケは何度となく仕掛け、可能な限り、ディフェンスに挑んでいた。その若さにもかかわらず、ピッチの上でリーダーとして振る舞っている。前半はシャドーでプレーし、ボールを受けに中盤に落ちざるを得ず、制約があったが、後半はシステム変更で攻撃面の自由を得ていた。(得点となった)PKも久保のパスが起点だった。ドリブル、パスでスペースを突き、危険を作り出すが、チームそのもののレベルが高くなかった」

 久保はアスレティックに敢然と挑み、互角に戦っている。前半は5-4-1(3-4-2-1)の右シャドーに入り、右アウトサイドのアレハンドロ・ポゾの攻撃を引き出し、守備ではサイドバックを封じ、戦術的役割も果たしていた。11分には、短いパス交換からスペースを作り出し、ラインを破る形でダニ・ロドリゲスにパスを通し、きわどいシーンを作った。

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