大迫勇也、絶体絶命の最終節へ。
ゴールで「不当な批判」を跳ね返せ!

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by picture alliance/AFLO

 今季の大迫は、シーズン前半戦が終わるころから、メディアやサポーターの批判にさらされてきた。必要な時に得点できず、丁寧なプレーがどこか消極的に見えることもあったのかもしれないが、その執拗さは奇異に映るほどだった。

 雲行きが怪しくなり始めたのは、12月8日の第14節パーダーボルン戦からだ。0-1で敗れたこの試合で、大迫は58分に交代。『ダイヒシュトゥーベ』には「屈強なディフェンダー相手の対人プレーに問題がある」と、いかにも日本人への紋切り型と思える批判が載った。

 ここからチームはバイエルンに6-1、マインツに0-5、ケルンに1-0と4連敗。この間、大迫に対して『ダイヒシュトゥーベ』は「頑張ったがほとんど競り負けていた」「機能していない」、地元紙『ヴェザークーリエ』も「プレーもままならない。ボールロストが多い」と戦犯扱いだった。

 ただ、大迫本人はそういった地元メディアにほとんど目を通さず、気にしていなかったようだ。試合後のミックスゾーンで、日本の記者から、地元メディアで批判されていることを前提にした質問が飛んでも、「そもそも何も知らないので」と、どこ吹く風だった。海外でプレーするなら、メディアの批判をいちいち気にしてもメンタルがもたなくなるだけ。動じない大迫を見て、胸をなでおろしたものだ。

 再開後は2得点したこともあり、メディアの大迫への評価、信頼は上がっている。第32節は、すでに優勝を決めていたバイエルン相手に0ー1で敗れたが、『ダイヒシュトゥーベ』は大迫をベストプレーヤーに選んでいる。

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