ブラジル大混乱で本田圭佑は大丈夫か。再開→中止→また開催の裏事情 (6ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 リオデジャネイロ州リーグ後半戦の放映権は、まだどこの局のものにもなっていなかった。フラメンゴは新しい法律をたてに、これまでのようにグローボの言いなりではなく、自分たちの言い値をふっかけることができる。だがそのためには、試合再開の既成事実が何としても必要だった。そこで無理を押してでも、フラメンゴは試合をしたかったのである。

 ボルソナロもグローボに打撃を与えることができると目論んだ。

 結局、放映権の話はグローボとはまとまらず、試合は無観客試合のうえ、テレビでも放映されなかった(フラメンゴのネットTVでは中継されたが、なぜかベンチと中継席を固定カメラで映したもので、プレーはほとんど見ることができなかった)。

 ブラジルサッカーのこの現状を、私は恥ずかしく思っている。この記事を書いている間にも、コリンチャンスで21人の選手から陽性反応が出た。本田のボタフォゴでは5人、フラメンゴで3人、サントスでも1人の陽性者が出ている。これでもサッカーを続けられると言うのだろうか。目の前で繰り広げられている光景は、あまりにも非現実的すぎる。

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