久保建英が首位レアルに挑む。
勝機をつかむためにどこを突くべき?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Quality Sport Images/Getty Images

 ジダンは自身がファンタジスタと言われた選手だったにもかかわらず、徹底的に効率性を求める。「いいプレー」や「スペクタクル」に酔うところがない。勝利のために、清濁を併せ呑めるのだ。

 6月24日、ジダン・マドリードは首位堅持をかけ、降格圏にいるマジョルカを本拠地ディステファノ・スタジアムに迎える。圧倒的優位は動かないが、懸念もある。守備のフィルター役であるカゼミーロが累積警告で欠場。主将でディフェンスラインの要であるセルヒオ・ラモスも膝を強打し、万全ではない。

 マジョルカのエースであり、レアル・マドリードがパスを所有する久保建英は、対面する公算が高いマルセロ、もしくはフェルラン・メンディと、やり合うだけの力を身につけている。もしボールが入ってくれば、ひと泡吹かせることができる。カゼミーロは不在、左センターバックのラモスは格下相手だと気を緩めることがある。エデル・ミリトンが入るならさらに不安定となり、勝機はある。

 もっとも、レアル・マドリードはたとえBチームでも、マジョルカを一蹴するだけの戦力を持っている。

「残り8試合は決勝戦のようなものだ。次(マジョルカ戦)で終わるわけではない。最後まで戦い続けるのだ」

 そうジダンは言う。マジョルカを血祭りにあげ、進軍を続けることができるか。

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