無観客のスタジアムで現地取材。
イタリア人記者はロナウドに失望した

  • マルコ・パソット●文 text by Marco Pasotto
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 一方のナポリは、ドリース・メルテンスだけで十分だった。ナポリを決勝に導くゴールを決め、同時にこれは彼のナポリでの122ゴール目となり、マレク・ハムシクの記録を抜いてチーム歴代最多ゴールとなった。試合は1-1で終わったが、決勝に進出したのはナポリだった。

 試合後、ナポリの監督ジェンナーロ・ガットゥーゾは微笑んでいた。彼はこの数日前、妹を37歳の若さでなくしていた。この試合にかける特別な思いがあったろう。また、ロッソネロ(ミラン)のハートを持った彼にとって、インテルを破ることは常に特別な喜びなのだ。

 これは本当のサッカーではないと言う者もいる。確かにそれも一理ある。本物のサッカーが見られるようになるにはもう少し時間が必要だ。チームも選手もすっとコロナに翻弄されてきた。しかし、重要なのはこうして公式戦が始まったことだ。最初の一歩がなければ何も始まりはしないのだから。



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