無観客のスタジアムで現地取材。イタリア人記者はロナウドに失望した (4ページ目)

  • マルコ・パソット●文 text by Marco Pasotto
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ミランの選手たちは医療従事者への感謝を込めたワッペンをユニホームの袖につけていた。彼らはこの新たな時代のヒーローだ。虹のデザインに「すべてはうまくいく」の文字。これはコロナと戦うイタリアのスローガンでもあった。

 試合前には3人の医療従事者がピッチに招かれ、コロナで亡くなったすべての人の追悼のため、そして今も戦っている人々への感謝のため、1分間の黙とうが捧げられた。彼らの目も、そしてそれを囲む22人の選手らの目も、一様に光っていた。この3カ月のイタリアの苦しみを彼らはその肩に感じていたろう。

 幸いにも、その翌日に行なわれたもうひとつのコッパイタリア準決勝、ナポリ対インテル戦は、見応えのあるものだった。いつもは熱いナポリサポーターで埋め尽くされるサンパオロスタジアムは静まり返っていたが、それでも前日の試合より心に響くプレーが見られた。

 ファーストレグで、ホームで負けていたインテルはベストメンバーで勝負に出て、多くのシュートをナポリゴールに放った。

 しかし、ナポリのGKダビド・オスピナの好セーブにことごとく阻まれてしまう。もしかしたらラウタロ・マルティネスの頭はすでにバルセロナに行っていたのかもしれない。ロメロ・ルカクもそれをカバーすることはできなかった。

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