無観客のスタジアムで現地取材。イタリア人記者はロナウドに失望した

  • マルコ・パソット●文 text by Marco Pasotto
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 イタリアサッカーがついに再始動した。リーグ戦再開に先駆けて、延期されていたコッパイタリア準決勝のセカンドレグが行なわれた。

 復活の第一章に選ばれたのが、ユベントス対ミランだった。ここ数年イタリアサッカー界に君臨する不動の王者ユベントスと、かつての栄光を追い求めるミラン。イタリアを代表する2つの強豪の激突で幕開けする予定だった。

再開初戦となったミラン戦では不発に終わったクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス) photo by AP/AFLO再開初戦となったミラン戦では不発に終わったクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス) photo by AP/AFLO しかし――待ちに待った試合の割には、正直、あまりにも魅力のない内容だった。3カ月の沈黙を破る試合にはもう少し別のものを期待していたが、見るべきものはほとんどないに等しかった。テンポは悪く、アピールするものもなかった。

 ユベントスはドゥグラス・コスタ、パウロ・ディバラ、クリスティアーノ・ロナウドの3人が初めて一緒にスタメンを飾ったが、スター選手たちだけでは間延びしたしプレーを埋めることはできなかった。ロナウドのPKはゴールバーを叩き、ディバラのプレーは散発的だった。

 一方、ミランのスター、ズラタン・イブラヒモビッチは出場停止で家にいた。スタジアムに入れる人数が厳密に限られていたので、スタンドにも入れなかったのである。

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