来季も現役の長谷部誠に福田正博が期待すること「彼ならできる」 (4ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 そして、いまでは長谷部の最大の武器はコミュニケーション能力と言っていい。これは単に言葉が喋れるということではない。長谷部は以前、様々な言語が飛び交う多国籍軍のフランクフルトでのチームメイトとの会話について、笑いながら「最終的には日本語で怒っています」と語っていた。

 身振り手振りで伝えるのとはワケが違う。ドイツ語を話せたうえで、最終的には言語を超えたところでコミュニケーションを成立させる。自己主張ができるようになりたくてドイツに渡った長谷部が、それをできるようになった。だからこそ、監督やチームメイトから絶大な信頼を寄せられているのだ。

 また、長谷部がドイツで評価される理由は、監督の考えを理解し、他の選手がやりたがらない役割に徹することができる点だ。監督が一を言えば十を理解し、チームの勝利のために規律を守って献身的に働く。日本人の特長をヨーロッパでも失わずに、強みとして発揮している。

 今シーズンの長谷部は、昨年途中から存在感を発揮した3バックの中央でスタートした。しかし、チームの攻撃的な戦力が落ちたこともあって結果が出ずに、途中からチームのシステムが4バックに変更されて出番を失っていた。ただ、新型コロナウイルス感染拡大による中断後、リーグが再開してチームが3バックに戻ってから出場機会を得て、存在感を示している。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る