久保建英がバルサ戦でボス感を証明。日本人選手として未知の領域にいる (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by ZUMA Press/AFLO

 特筆すべきは、キッカーを任されていた点だろう。チーム内で、誰にも有無を言わせないプレーを見せている。開幕当時、ボス的な立場にいたサルバ・セビージャを実力で引きずり下ろしたのだ。

 今やマジョルカは、"久保一党"と言えるだろう。

 後半も、久保がタイミングを見計らってインサイドに入れたパスは、もし通っていたら、絶好機になっていた。また、右サイドでためを作って、ダニ・ロドリゲスに出し、この折り返しをアンテ・ブディミルが左足で狙ったシーンも際どかった。右サイドを駆け上がるアレハンドロ・ポゾに出したパスも、何気ないが、質の高さを感じさせた。

 この日の評価として、『アス』紙は久保にマジョルカで最高点の2(0~3の4段階)をつけている。他のマジョルカの選手はいずれも1か0で、ひとり突出していた。久保は決定機を作っただけでなく、守備面でもジョルディ・アルバへのパスコースを最大限に遮断し、貢献していた。

 19歳になって初めてのゲームで、久保はあらためて日本人選手として未知の領域にいることを示したのだ。

 もっとも、久保の目指す頂はマジョルカのエースになることではない。レアル・マドリードでポジションをつかむことにあるだろう。

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