久保建英を「爺さん」と監督が賛辞。現地紙はメッシと比較しての評価も (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki,
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 レアル・マドリードはルカ・モドリッチの放出やエドゥアルド・カマビンガの獲得などの動きがある。さらに、ストライカー確保が彼らの優先課題。現時点では、不透明なことが多すぎる。

 とは言え、今の久保はチームを選ばないだろう。どんなチームであれ、適応するだけの力を身につけている。過去に多くの日本人選手が持っていた、天才肌の選手特有の脆さ、悲劇性がまったくない。跳び抜けたパーソナリティと卓抜とした技術で状況に適応し、次のステージに入ってしまう。艱難辛苦が進化の触媒で、まるで漫画のキャラクターのようだ。

 結論を言えば、マジョルカ以上のチームなら、どこでもいいのではないか。リーガ1部に頭を抱えるような愚将はいない。たとえ日本人選手を多少差別するような監督であっても、久保はそれを覆して殻を破るだけの剛直さを持っている。

 6月13日の再開戦で、マジョルカは本拠地ソン・モイスに首位を走るバルセロナを迎え撃つ。現在は18位で降格圏(20チーム中、3チームが降格)。残留のためには負けられない。今季のバルサは失点が多いだけに、つけ入る隙はあるだろう。シーズン前半戦には、アウェーで5-2と、メッシのハットトリックで蹴散らされたが......。

 久保はメッシの度肝を抜く一発を決めることができるか。今はマジョルカを1部に残留させることが使命だ。

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