メッシの高額年俸が頭痛のタネ。コロナ危機でバルサの経営もガタガタ (3ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 そしてトップチーム選手の給与総額は2億8300万ユーロ(約339億6000万円)で、給与トップはセルヒオ・ラモスとガレス・ベイルで、年俸2900万ユーロ(約34億8000万円)だ。これはメッシの3分の1にも満たず、バルサに比べ人件費を抑えている。実際、レアルが18年にクリスティアーノ・ロナウドを放出した理由の一つは、高額な年俸を要求されたことだった。

 ただ、バルサより安いとはいえ、高額であることに変わりない。そのためクラブは、選手たちと給与カットについて合意。シーズンが再開した場合は年俸10%カット、中止になった場合は年俸20%カットとなった。バルサが緊急事態宣言期間中だけの減額なのに対し、レアルは年俸から減額している。

 こうしたなか、レアルのトニ・クロースは、「給与カットは価値のない寄付、もしくはクラブに寄付するようなものだ」との見解を示した。クラブに強制的に給与カットされるのではなく、各自が自分の意思で行動すべきで、給与削減はクラブの財源強化になる一方、「弱い人々の助けにはならない」と主張した。

 日本人選手所属クラブでは、久保のマジョルカは、リーグ戦が再開されない場合は年俸15%カット、再開された場合は給与カットなしで選手たちと合意。乾のエイバルはリーグ戦が再開されない場合は年俸15%カット、再開された場合は2%カットという条件で選手と合意している。

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