メッシの高額年俸が頭痛のタネ。コロナ危機でバルサの経営もガタガタ (2ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 なかでも、バルセロナの動きは際立った。昨季の総収入が8億3600万ユーロ(約1003億2000万円)であるのに対し、人件費総額が5億4100万ユーロ(約649億2000万円)と、その割合は65%。これはECA(欧州クラブ協会)が、クラブの健全経営のために超えてはいけない目安として示している70%に近い数値であり、人件費がクラブの財源を大いに苦しめている。

 また、トップチームの給与総額4億2700万ユーロ(約512億4000万円)のうち、リオネル・メッシがその4分の1に近い、チームトップの年俸1億ユーロ(約120億円)を受け取っている。

 高額な人件費の支払いが困難となったバルサは、選手たちと話し合い、「非常事態宣言がつづく期間に限り給与70%カット」で合意。また、クラブ職員540名に対してERTEを申請した。バルサは選手の給与カットと国の援助を利用することで、クラブ職員に給与全額払いを保証したのである。

 2つ目の「選手の給与カットだけを実施し、ERTEは申請しない」措置をとったのは、レアル・マドリード、久保建英所属のマジョルカ、乾貴士所属のエイバル、アスレティック・ビルバオ、ベティス、セルタ、レガネス、レバンテ、レアル・ソシエダ、バジャドリード、ビジャレアルの11クラブ。

 レアルの昨季の総収入は7億5700万ユーロ(約908億4000万円)。これに対し人件費総額は3億9400万ユーロ(約472億8000万円)、その割合は52%とバルサよりも低い。

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