メッシの高額年俸が頭痛のタネ。コロナ危機でバルサの経営もガタガタ

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 新型コロナウイルスの感染拡大を懸念したスペイン政府が、3月14日に非常事態宣言を発令したことにより、各クラブが活動停止を余儀なくされた。クラブや選手、もちろんファンも、当初は真っ暗なトンネルの中にいるような、先の見えない状況がつづいた。

コロナ禍で苦しい経営のバルセロナは、メッシの高額年俸が財政を圧迫コロナ禍で苦しい経営のバルセロナは、メッシの高額年俸が財政を圧迫 シーズン中止という最悪のシナリオも視野に入れた各クラブは、大幅な収入減を想定した措置を講じ始めた。

 ほぼすべてのクラブが、「選手の給与をカットする」「国の補償制度ERTE(エルテ:一時雇用調整)に頼る」かどうかの決断に迫られた。

 各クラブの対応は大きく3つに分かれた。1つ目は「選手の給与カット」も「ERTE利用」も実行、2つ目は「選手の給与カット」のみ実施、3つ目は「何も行なわない」。

「ERTE」とは、今回のような非常時に経営が厳しくなった企業などに対し、スペイン政府が雇用契約の一時停止、もしくは労働日の削減を認め、失業手当として給与の70%を支払う補償制度である。

 プリメーラ(1部)のクラブで、1つ目の措置を選択したのは、バルセロナ、アトレティコ・マドリード、セビージャ、バレンシア、エスパニョール、アラベス、オサスナ、グラナダの8クラブ。

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