2020.06.12

アグエロが得点を量産する秘密。
ゴール前では「特殊能力」を発揮する

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

<イメージと記憶でゴールする>

 位置感覚があるとしても、どこへどんなシュートをするべきかは、イメージに左右される。ターゲットはゴールの枠内と決まっている。基本はゴールの四隅だ。4つのポイントのどこを狙うかは、GKがどこを塞いでいるかをイメージすること。

 アグエロは、どうも自分とボールの関係からGKの位置を把握できているように見える。シュートの瞬間の感覚でGKはここにいるとわかっている。自分とボールの関係だけでシュートしておらず、その時の感覚にGKが入っているようなのだ。ニアサイドの上を打ち抜く、ファーサイドへ低く流し込む、どれもない時はGKの足の間を狙う......。ただ打つだけでなく、シュートが入るイメージで蹴っている。だからシュートの成功率が高い。

 しかし、シュートがうまいだけでも得点は取れない。シュートするチャンスをつかまなければならない。当たり前だが、たくさん得点する選手はたくさんシュートも打っている。

 ゴール前は一種のカオスで、偶発的なことも頻発する。最初にパスを受けようとしたタイミングでボールが来なければ、すぐに次のチャンスを探さなければならない。動きと思考の連続性が問われる。