アグエロが得点を量産する秘密。ゴール前では「特殊能力」を発揮する (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

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 相手のDFとGKとゴール。優れたゴールゲッターは、少なくともこの3つを常にイメージできる。イメージと書いたのは、必ずしも目視する必要はないからだ。実際、ゴール前のごく限られた時間でシュートするので、多くのケースでゴールゲッターはGKもDFも見ておらず、ゴールも見ていない。シュートの瞬間にゴール、GK、DFが目視していなくても把握できること。つまり、イメージできることが決め手になる。

 とくにボックス内でシュートするタイプのFWは、シュートの瞬間に顔を上げる動作をほとんどのケースでしていない。ボールに集中して、蹴るべきポイントを蹴る。ボックス内からのシュートの場合、ゴールは見なくても間接視野でとらえることは可能だが、アグエロのように自分がボックス内のどこにいるかを俯瞰的にとらえるのは簡単ではない。

 バスケットボールの選手もリンクの位置を感覚的にとらえているという。サッカーの場合、ゴールエリアのラインは1つの位置情報になる。フラメンゴでプレーしていた頃のジーコは、ゴール裏で撮影しているカメラマンの位置から自分のいる場所を割り出していたそうだ。そのため、カメラマンには常に赤いシャツを来て、同じ場所で撮影するように頼んでいたという。ボックスの王にとって、位置感覚が重要な能力であることがわかるエピソードだ。

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