名勝負と名物料理がある幸せ。
ユーロで目撃した「どんちゃん騒ぎ」

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 2004年当時、イングランドと言えば、サポーターが狼藉を働く厄介な集団として認知されていた。その2年前に行なわれた日韓共催W杯では、フーリガン対策に日本政府は莫大な予算を費やしている。結局、フーリガンは1人も日本まで辿り着けなかったのだが、舞台がポルトガルとなると話は別。警戒が必要だと思われた。

 ところが、イングランドはポルトガルの首都リスボンに迎え入れられ、メイン会場であるダ・ルスで4試合中3試合を戦い、厚遇を受けることになった。

 ポルトガルと犬猿の関係にあるのはスペインだ。歴史的に何度も侵略された過去がある。2002年にW杯を共催した日本と韓国に似た関係にあるが、ユーロ2004は弱者であるポルトガルが招致レースを制した。ポルトガルにとって痛快な話はさらに続いた。グループリーグで実現したスペインとの直接対決で、ポルトガルは1-0で勝利した。リスボンのリベルターデ大通りは、明け方までどんちゃん騒ぎが繰り広げられたものだ。

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