名勝負と名物料理がある幸せ。ユーロで目撃した「どんちゃん騒ぎ」 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 2014年ブラジルW杯のために改修されたマラカナが、特徴のない平凡なスタジアムに成り下がったのに対し、ダ・ルスはよりよいスタジアムへとアップデートされた。

 まずアクセスがいい。街の中心地、マルケス・デ・ポンバル駅から地下鉄に乗り10分強で到着するコレジオ・ミリタール/ルス駅の目の前という絶好のケーション。正確には、大通りを挟んで反対側になるが、駅に到着し、地上階に出た瞬間、テンションが急上昇する。目の前に、ベンフィカのチームカラーである赤を全面に押し出したスタンドがデンと現れるからだ。

 赤をチームカラーにするサッカークラブは世の中で一番多いとされる(青が2番目)が、ベンフィカの赤は、リバプール的でもなければアヤックス的でもない。当然、浦和レッズ的でもない。他の赤とは一線を画す濃い朱色。黒みがかっているようにも見える、発色の鮮やかな赤だ。旧スタジアムにも各所に施されていたが、新スタジアムはこの伝統のカラーをもっと全面に、パンチを効かせるように押し出している。

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