2020.06.04

「メッシ専用」のパスを出す。
バルセロナにブスケツが不可欠な理由

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

 イングランドはWMシステム(FWからDFまでが「WM」を描くように配される)を発明した時にセンターハーフを下げて3バックにしているので、センターハーフのポジションはなくなっていたが、中央ヨーロッパや南米は2バックのまま、しばらくセンターハーフを残した。オーストリアのエルンスト・ハッペルは攻撃型センターハーフとして有名だったし、ブラジルではボランチと呼ばれて組み立てのうまい選手が起用された。

 その後、システムが変化しても、深い位置でゲームをつくるタイプは存在した。50年代はハンガリーのヨゼフ・ボジク、60年代にはスペインのルイス・スアレスなどが活躍。70年代にはリベロがこの役割を果たすようになり、フランツ・ベッケンバウアーが代表である。

 一方で、ほとんど守備専門のタイプも多く、70年代に活躍したイタリアのロメオ・ベネッティには、「手斧師」という恐ろしいネックネームがついていた。相手のプレーメーカーやセカンドトップをマークして潰す役割である。

 早くからハーフバック2人体制になっていたイングランドも多くの名手を輩出したが、「深い場所に置かれる」というより、双方のペナルティーエリアの間を広く動くダイナミックなMFが伝統的だろう。「ボックス・トゥ・ボックス」と呼ばれるタイプだ。ボビー・チャールトン、スティーブン・ジェラード、フランク・ランパードなどがあげられるが、レジスタという感じではない。