2020.06.04

「メッシ専用」のパスを出す。
バルセロナにブスケツが不可欠な理由

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

 自分がボールを受ける前から、メッシがどのタイミングでどこに立つかを予測している。そしてその一瞬を逃さず、ワンタッチでメッシの足下にボールをつける。これは受け手のスペースが狭いので、他の選手に使うのは危険な「メッシ専用」のパスだ。セオリーだけでなく、選手の特徴に応じたパスを出すことができるのもブスケツの長所である。

<レジスタの歴史>

 英国ではディープ・ライング・プレーメーカーとも呼ばれる。直訳すれば「深い場所に置かれたプレーメーカー」だ。イタリアではもう少しシンプルにレジスタ(司令塔)。

 ブスケツのほかにもシャビ・アロンソ(スペイン)、アンドレア・ピルロ(イタリア)、ジョーダン・ヘンダーソン(イングランド)、アクセル・ヴィツェル(ベルギー)、マルコ・ヴェラッティ(イタリア)といった名手の名が挙げられる。

 このポジション自体は古くからあった。2バックシステム時代からセンターハーフとして存在している。ただ、解釈はチームによって異なっていた。

 1930年の第1回ワールドカップでアルゼンチン代表として準優勝、4年後にイタリア代表で優勝したルイス・モンティはこの時代の代表的なセンターハーフだ。配球もうまかったが、頑強なモンティの本領は守備。ハードマークでならした。