2020.06.01

「神童」の神業パス。味方にボールを
届ける大切なポイントがわかる

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer
オヤルサバルへのスルーパスでアシストした

 ウーデゴールには3つのパスコースがあった。きっとどこに出してもパスは成功していただろう。その中でウーデゴールが見ていたのは、ポルトゥへのスルーパスでもなく、ウィリアン・ジョゼへのクサビのパスでもなく、ミケル・オヤルサバルへのスルーパスだった。

ウーデゴールは、オヤルサバルへのスルーパスを選択。ゴールをアシストした この時、アラベスDFのマルティン・アギレガビリアは違うことを考えていた。ウーデゴールが右サイドから中へボールを運ぶと、アギレガビリアは一瞬首を左右に振り、オヤルサバルの存在に気がついた。

 オヤルサバルへワイドに展開するとみたアギレガビリアは、すぐにそこへ対応するため、中央に向けていた体をサイドへ開こうとした。しかし次の瞬間、予想とはまったく違うところへボールが放たれた。ウーデゴールが選択したのは、ロドリゴ・エリーとアギレガビリアの間を抜くスルーパスだったのだ。

 ただ、パスが出た瞬間も、アギレガビリアはまだ大丈夫だと思っていたはずだ。ボールが向かったエリアは、GKフェルナンド・パチェコのテリトリーだからである。ところが、ウーデゴールが放ったパスはあまりに絶妙だった。パチェコが飛び出すより早くボールに追いついたオヤルサバルが、ギリギリで先に蹴りこみ、ボールはゴールへ流れていったのである。

 少しでもボールが内側のコースなら、あるいは少しでもパススピードが遅ければパチェコがキャッチし、少しでも外側のコースならボールはDFにカットされていたかもしれない。そのどれも寸分の狂いもなく、完璧にオヤルサバルの足元にボールが届けられた、ウーデゴールの神業的アシストだった。

【動画】レアル・ソシエダで大活躍!“神童”ウーデゴールのプレー集>>
(アラベス戦のアシストシーンは、1分04秒~1分44秒)

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