ネイマールは6億円寄付。コロナ禍に
ブラジルのスターが立ち上がる!

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 サンパウロは自身のネットTVで、2005年のクラブワールドカップ決勝、リバプール戦を放送した。その際、元ブラジル代表のライーと元ウルグアイ代表のディエゴ・ルガーノが発起人となって、試合を見る際に2米ドル(約220円)を寄付するよう呼びかけた。集まったお金は地元の貧しい人に配られることになっている。「日本でのすばらしい思い出が、同時に人を助ける」と、ライーは言っている。

 そうした多くの偉大な選手たちが人々を助けようと奮闘している姿が、国民の心を温めている。ブラジルには何百万という貧困層がいる。リオやサンパウロといった大都市では急速に、道で物乞いする人の姿が増え始めた。彼らには早急に助けが必要だ。

 なかでも獅子奮迅の働きをしているのはドゥンガだ。米、果物、野菜など、大量の食糧をかき集めて貧しい人々に配ったほか、仲間を募ってリオグランデ・ド・ソルに病院を建てた。彼の自宅があるポルトアレグレでは、今でも食糧を集めている。

 ネイマールは500万ドル(約5億5000万円)をさまざまな団体に寄付し、さらに100万ドル(約1億1000万円)をブラジルのアマチュアサッカー救済のために寄付した。

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