華やかなイタリアW杯決勝の舞台で実感。欧州に「同国人のよしみ」なし (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 これがローマに限らず、日本以外の国、ほぼすべてについて言えることだとわかったのは、それからしばらく経ってからの話だが、それはさておき、水泳世界選手権の期間中、1日だけミラノに出かけ、サンシーロでサッカーを観戦している。ミラン対ジェノア。カズこと三浦知良のセリエAデビュー戦だ。

 ミラノとローマ。イタリアを代表する両都市の、サッカーにおける力関係は当時、断然ミラノが勝っていた。ミランは前シーズン(1993-94)のチャンピオンズリーグ(CL)の覇者で、このシーズン(1994-95)も決勝に進出。ウィーンのエルンスト・ハッペル・スタジアムでアヤックスと対戦した。

 勝ったのはアヤックス。ミランの2連覇を阻止したアヤックスは、続く1995-96シーズンも決勝に進出。今度は2連覇を狙う側に回った。相手はユベントスで、舞台はローマ。スタディオ・オリンピコだった。

 下馬評ではユベントスが圧倒的に有利だった。アヤックス側がメンバー落ちだったことが一番の理由だが、舞台がイタリアの首都だったこと、つまりユベントスにとっては地元だったことも、その理由のひとつだろうと想像した。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る