2020.05.24

絶賛から始まった中村俊輔のリーガ
挑戦。評価急落の裏に嫉妬もあった

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「FWの動きを考え尽くしたパスだったよ」

 スペイン代表のルイス・ガルシアも、絶賛のプレーだった。

「日本のメディアスターが、フットボールスターになった!」

 翌日の大手スポーツ紙『アス』は、中村の写真を大きく使って打電し、0~3の採点で2の高得点をつけた。

「ナカ(中村)には、ゴール前でチャンスを作る能力を示してほしい」

 マウリシオ・ポチェッティーノ監督も、主力として構想にいれていた。日本サッカーが生んだ最高のレフティは、この時点で眩しい光を放っていたのだ。

 しかし、シーズンが始まり、中村の評価は急落する。

 開幕のアスレティック・ビルバオ戦、続くレアル・マドリード戦は先発したが、2連敗したチームの不振に埋もれる。悪いことに、中村が先発を外れた第3節デポルティーボ・ラ・コルーニャ戦は、打ち合いの末に勝利した。その後は出場しても空回りし、パスも集まらず、次第に出場時間が少なくなっていった。12月から年明けにかけては、出場なしの機会も増えていた。