2020.05.23

リーガ2部日本人最多得点のFWが
体感した「罵声が称賛に変わる瞬間」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「ケンジは眉間にしわを寄せ、怒ったような顔でボールを追い、ゴールを狙う姿が印象的だった。ヌマンシアはFWの駒が足りなかったし、代理人を通じてテストに誘ったんだよ。カステジョンを戦力外になっていたが、そんなのは関係なかった。彼の闘争心はすさまじく、私が求めていたFWだったんだ」

 テストに合格した福田は、ヌマンシアの選手になった。

 福田は開幕から出場機会は限られ、しばらくゴールがないことで罵声を浴びていた。しかし、11月に古巣カステジョンを相手にゴールすると、状況は一変した。

「ゴールでこれだけ変わるんだな、と思うくらい変わりました。娘が幼稚園で『お前のパパ、ヒーローだな』って言われたらしい。それまで、『お前のパパ、点とれないな』とバカにされ、『幼稚園に行きたくない』って駄々をこねたことがあった。自分もスタジアムで罵声を浴びていましたが、一瞬でそれを変えられる。この瞬間は最高だなって」

 福田は着実にゴールを決めるようになって、エースとして1部昇格争いに貢献した。第27節のベシンダリオ戦では、左サイドからのクロスを得意のヘディングで叩き込み、4位にまで順位を押し上げている。