セリエA再開にウルトラスが猛反発。「犠牲者にリスペクトを!」 (4ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 多くの選手は給料の減額などをチームに申し入れているが、焼け石に水だ。つまり、チームはリーグを再開するか、へたをすると破産するかの選択を迫られている。中小チームだけでなく、伝統あるビッグクラブでさえ同じ状況だ。

 ちなみに各チームは、不可抗力で試合がなくなった場合の条件は、テレビ局と交わした契約書には記載されていないと主張している。もし局側が支払いを拒否すれば、裁判になるだろう。レーガ・カルチョ側は「2020-21シーズンの放映権がほしいなら、支払い期日を順守してほしい」と、局に迫っている。

 しかし、すべてのチームが早期の再開を望んでいるかといえば、そういうわけではない。そこには個々の事情が絡んでくる。

 たとえばマリオ・バロテッリのブレシアは再開には反対だ。ブレシアは感染の激しかった地域だからだが、別の思惑もある。ブレシアは現在最下位で、このままではB降格は免れない。だが、もしリーグがこのまま中止になってしまえば、来年もセリエAでプレーできる。さらにトリノ、ウディネーゼ、サッスオーロ、ナポリ、サンプドリアは準備不足などを理由に、6月13日ではなく、6月20日の再開を支持している。

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