セリエA再開にウルトラスが猛反発。「犠牲者にリスペクトを!」

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 新型コロナウイルスの感染拡大で、いまだかつてない深刻な状況に直面しているイタリアだが、どうやら最悪の状態からは抜け出し始めているようだ。そうなってくると話題にのぼるのが、リーグ戦の再開だ。一部のチームからはできるだけ早い時期での再開を望む声が上がっている。だが、そのスケジュールについての議論は迷走中だ。

 まず、レーガ・カルチョ(イタリアサッカーリーグ)はリモート会議を開き、セリエA各チームの決を採った。そこで決定した再開日は6月13日だった。これに待ったをかけたのがイタリア政府。5月18日、「いかなるスポーツイベントの開催も6月14日まで認めない」と発表したのだ。これを受けて、イタリアサッカー連盟は、「中断期間を6月14日まで延長する」とコメントした。

トレーニングのためユベントスの練習場に到着したジャンルイジ・ブッフォン photo by AFP/AFLOトレーニングのためユベントスの練習場に到着したジャンルイジ・ブッフォン photo by AFP/AFLO これにより、再開がその翌週(6月20日)以降になることが決まったのかというと、それもまた違う。レーガ・カルチョは13日再開へ向けて政府と「話し合いを続けていく」とし、イタリアサッカー連盟も「その決定次第」と、13日開幕へ含みを持たせているのだ。

 なぜ6月13日、14日の再開にこだわるのか。

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