異様な殺気、優雅な旅行。アテネで体感したCLのふたつの顔 (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

 スタジアムの開場は1982年9月。決して古くなかった。アヤックス戦が行なわれた96年5月でさえ、14年経っていなかった。しかし同スタジアムは、2004年アテネ五輪開催に向けリノベイトされた。

 完成したスタジアムは、まるで新築スタジアムのように斬新な形状になっていた。2006-07シーズンには、さっそくCL決勝(ミラン対リバプール)の舞台になっている。

 だがその前に、2004年のアテネ五輪にも触れたくなる。筆者にはいい五輪だったとの認識が強くあるからだ。観戦者にとってありがたいコンパクト五輪だったからである。

 五輪スタジアムは、周囲に競泳会場や体操会場、自転車会場など様々な施設が集まるスポーツコンプレックスの一角にある。最寄り駅から徒歩数分。周囲は公園風の楽しげな、1日いても飽きない造りなっているところがよかった。その他の施設も概ね近距離にあったので、1日に複数の競技、種目を観戦することが可能だったのだ。筆者には1日で最大5会場を渡り歩いた記憶がある。同じ日に3度も、日本人選手の金メダル獲得の瞬間に立ち会うことができた。

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