欧州サッカーは驚きの高額放映権料。リーグ再開へプレッシャーの裏事情 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 英国のBBCが「仮に無観客でプレミアリーグを再開できた場合でも、プレミアリーグのクラブ側はライツホルダーに対して計約3億4000万ポンド(約446億円)の放映権料の払い戻しが要求されている」と報じたことは、その一例と言っていいだろう。

 同じ日、イタリアの通信社も「ライツホルダーが(セリエAに対し)今季の分割払いの最終支払い額にあたる2億2000万ユーロ(約255億円)の支払いを停止した」ことを報じている。

 もし、このままシーズンを再開できなければ、それによって各クラブが被る経済的ダメージは計り知れない。テレビ放映権収入を失うことで、多くのクラブが経営破綻する。

 健康のリスクを冒してまで、彼らがシーズン再開に突き進まなければならない理由はそこにある。もちろん、彼らにプレッシャーをかけるライツホルダーたちも、多額の資金を投じているだけに必死だ。

 では、そもそも現在5大リーグはどれほど高額なテレビ放映権収入を得ているのか? そんな素朴な疑問に答えるべく、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)が公表しているレポートから、2019−2020シーズンにおけるヨーロッパ5大リーグのテレビ放映権収入の現状について整理してみる。

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