ブンデス再開へ現地のリアルな声。
メディアもファンも「素直に喜べない」

  • 龍フェルケル●文、撮影 text&photo by Ryu Voelkel

 一方、ドイツ人のフォトグラファー、シュテファン・マツケさんはこう話した。

「やはり、このタイミングでの再開は早いと思う。しかし、サッカーが社会に貢献できるチャンスだ。サッカーファンだけでなく、社会全体に対して貢献することができる。無観客試合はいいコンセプトだと思うけど、複雑な気持ちだね。選手だけでなく、テレビクルー、救命隊員、警備員たちの安全も保証しなければならない」

 また、ベルリン在住のサッカーファン、フィリップ・ナディダイは「リーグ再開はうれしいが、素直には喜べない」と複雑な心境を語った。

「ドイツでは自宅待機中、ドメスティック・バイオレンスの件数が増加して問題になっている。サッカーが再開され、暴力とは異なる方法でストレスを発散できるのはいいことだね。

 しかし、リーグ再開がもたらす"負"の要因から目を背けることはできない。今シーズンを終了するまでに、選手やスタッフたちに、計2万5000回のPCR検査を受けさせる(3日に1回程度の検査を実施する方針と言われている)ことが必要になるんだ。本当に必要がある人たちにPCRのキットを使うのではなく、健康なサッカー選手に使うのはおかしいよ」

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