ブンデス再開へ現地のリアルな声。
メディアもファンも「素直に喜べない」

  • 龍フェルケル●文、撮影 text&photo by Ryu Voelkel

「各試合とも、現場で撮影できるフォトグラファーは3人まで」と決定された。そして、その中に自分が入ることはないと聞かされた。

 もちろん、コロナ対策としては真っ当な判断だ。必要最低限の人員で無観客試合として開催されることは頭に入れていたが、上記の決定は、自分を再び絶望へと追い込んだ。

 実は筆者自身、ドイツで新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になり、自宅での自粛生活が始まった3月中旬、コロナウイルスへの感染疑惑で医師からPCR検査を勧められた。診断は陽性。しかし幸いにも症状は軽く、微熱、咳、体のだるさ、味覚障害が1週間ほど続くだけだった。その頃は、隔離生活を2週間続ければそれで済むと思ったほどだ。しかし、その先に待っていたのは、延々と続くサッカーがない未来だった。

 リーグ再開の希望が見えた刹那、フォトグラファーとして試合を撮りに行けないことが判明し、フラストレーションがたまり始めた。リーグの判断自体は理解できるが、フォトグラファーとしては正直、簡単には受け入れられなかった。

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