東京五輪世代の「背番号10番」。スペインの新鋭は筋骨隆々ファンタジスタ (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 今シーズンはベンフィカからアトレティコに移籍し、守備への要求のせいか、真価を発揮するには至っていない。しかしカウンターを発動する姿は圧巻。ボールを持ち上がり、駆け抜ける姿は美しく、ひとりでゴールまで持ち込める。

「まだフィジカル的な課題を残している」

 ディエゴ・シメオネ監督はそう言う。課題は90分間、あるいは連戦をやり切る体力面か。

 日本人で0トップとしての適性を持っているのはリバプールに移籍した南野拓実だろう。細身に見えても体は強く、コンタクトの中で入れ替わって、シュートまで持ち込むパワーがある。また、クロスでボールを呼び込む感覚も抜群で、背は高くないが、ヘディングでゴールも狙える。特筆すべきはシュートを打つ意志で、その猛々しさは森保ジャパンでも際立つ。

 南野は東京五輪世代ではないが、オーバーエイジ枠で招集するのもひとつの手かもしれない。

 南野に近いのが、西川潤(18歳、セレッソ大阪)だろう。アンダー世代では、存分に非凡さを示している。バルセロナが触手を伸ばすのも、なんら不思議ではない。左利きのアタッカーとして、日本人では久保建英(18歳、マジョルカ)に次ぐ才気だ。

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